東南アジア旅行記〜台湾の台北と花蓮方面への旅行    
 台湾総統府の赤煉瓦
 2000年7月に中国の上海と蘇州、翌年の9月末から10月初旬にかけてシンガポールとマレー半島最南端の町ジョホール・バール、 2002年6月には台湾の台北と花蓮方面を旅行した。

 いずれも観光が主な目的であったが、現地の人達との交流と気風に触れ、現実の状況をこの目で確かめることができた。

 「私の見た東南アジア」と題し、私的な旅行記を9回に分けて紹介しています。
故宮博物院
 
3.台湾の台北と花蓮方面への旅行
 台湾へは、平成14年6月にいつもの友人夫妻を誘って、成田発午前11時半のEG203便で出発した。 台北の中正国際空港へ現地時間の午後2時前に到着した。時差は1時間である。現地ガイドの案内で台北へ、 途中で台北駅前にある台北のランドマークとも言える新光摩天展望台46階に上り、眼下に広がる台北市街360度の全貌を見渡した。 西には淡水河が流れ、南に総統府や中正記念堂、北側の遠くに園山大飯店等が見えた。

 宿泊ホテルは地下鉄「善導寺駅」前の来来大飯店である。チェクインしてから、現地の知識人との交流会を兼ねた夕食の会場へ向かった。 場所は民生東路の「蘇杭極品」江南美食・上海名菜である。現地の人達が準備をして盛大に出迎えてくれた。 出席者の自己紹介を始め多くの方々との和やかな歓談と豊富なメニューの食事、時間の過ぎるのが早く、記念撮影を終えて解散した。 タクシーに分乗してホテルに着くと、時間は午後11時を過ぎていた。1日の疲れからベットにバタンキューと夢の世界へ引き込まれた。

 翌日の2日目は台北市内の観光が目的である。15階の室内の窓から外を見渡すと、眼下に警政署、その左隣に行政院、 手前に監察院と立法院が続き、台湾の政治の中枢にホテルが存在していた。 朝食はバイキング式、品数が多く豊富なメニューはいずれも日本人好みの味付けであった。

 観光バスに乗り込み、日本の大正時代に建てられたという赤煉瓦のルネサンス造りの総統府を外から見学し、 台湾の政治の中心である外交・法務、裁判所等の諸官庁を通り抜けて中正記念堂へ着いた。 中正記念堂は故蒋介石総統の偉業を記念して1980年に完成した青い瑠璃瓦と白亜造りの純中国様式の建築物である。 記念堂の正面の額には「大中至正」なる言葉が掲げられている。これは「中庸の道を歩み、公明正大である」という意味の孟子の言葉であり、 蒋介石の本名「中正」は孟子の論語の一節から引用して名付けられたという。

 次に台北孔子廟へ、最初は清朝時代に建てられたが、日清戦争後に破壊と老朽化が進み、1907年に日本軍によって取り壊された。 その後、孔子を尊敬する人達の寄付で建て直され、1927年以降に数回の拡張と修繕を重ねて今日の規模になった。 孔子廟の特徴は正門(儀門)を通らずに左右に出入口があり、建築様式は古代宮殿式で曲阜孔子廟をモデルにして建てられたという。 この近くに保安宮があり、医術であまたの衆生を救った人を保生大帝として崇め、神農大帝、孔聖夫子、関聖帝君、玄天上帝、天上聖母等々の諸神が祀られていた。

 途中、免税店で買い物をし、昼食は吉林路の農安街口にある「東楽本店」で石鍋料理を味わった。 中国伝統の豪華な宮殿洋式で統一された園山大飯店の近くを抜け、忠烈祠へ向かった。 ここは中華民国建国や日中戦争や中国国内の内乱で殉死した軍人や人々が祭られている。 特に、警護に当る儀仗兵のきびきびした動作の交代儀式(1時間毎)を見ることができた。交代した衛兵は身動き1つなく立ち続けていた。

 世界5大博物館の1つである台北の故宮博物院へ向かった。ここの収蔵品はもともと北京にある故宮・紫禁城に所蔵されていたが、 近代中国混乱期に散乱・破壊・略奪の危機にあり、大半の重要な文物を北京から南京へ、そして台湾へ運ばれ、 その移送過程で物品の破損が1つもなく、大切に保存されたという。 その背景には、中国文化の伝統的な後継者は、歴代の皇帝が収集して愛用した文化遺産を引き継ぐことによって歴史的に認知されるという考え方がある。 このことが中国の歴代王朝の文化を今日の私達に知らせてくれたのである。収蔵品は70万点余という。 その内、約2万点が展示され、数百点の絶世の傑作が常設展示室にある。 甲骨文や夏・商・周代の遺物、青銅器や陶磁器、書画類と彫刻、玉器や家具等、短時間で鑑賞するのはとても無理であった。 特に、宋・元・明・清代の陶磁器や中国歴代の玉器は、その精巧さに目を見張るばかりであった。記念写真を撮ることも忘れ、故宮博物院を名残惜しく後にした。

 途中で漢方薬の専門店(滋和堂)に案内され、少林寺拳法の秘技を見て、漢方薬の効能の講義を受けた。観光バスを途中下車し、 夕食は小籠包の店「鼎泰豊」忠孝店で、各種の小籠包、焼売や餃子、牛肉や豚肉の料理を台湾ビールや紹興酒とともに舌包みした。 夕食後、地下鉄に乗り込み、夜の龍山寺へ向かった。龍山寺は台湾最古の寺で1738年に建てられ、現在は大規模な改装工事が行われていた。 本尊は観音菩薩像、両側に文殊・普賢の両菩薩、左右には、四海龍王、十八羅漢、海の守護神、商売の神様、町の神様、治水の神様、子宝の神様等が祭られ、 台湾の典型的な神仏混合のお寺であった。元気な人は夜市の屋台へ繰り出したが、私達はタクシーでホテルへ直行し、台北観光の1日を終えた。
                                                                                                    

  

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